単に「不器用」じゃない、発達性協調運動障害(DCD) デジタルキャリアラボ 就労継続支援ブログ
みなさんは発達障害ときいて、どのような困りごとや障害を思い浮かべられますか？
文字がうまく書けない、字がマス目や行からはみだす、なわとびが跳べない、靴ひもがうまく結べない、ボール投げがうまくできない・・・日々の生活において体を動かす、日常的な動作に極端なぎこちなさが見られる「発達性協調運動障害」。
発達障害の一つで、学校生活でもさまざまな困難が生じますが、自閉スペクトラム症（ASD）、注意欠如・多動症（ADHD）、学習障害（LD）などに比べて認知度が低く、見過ごされているのが実情です。
最新の精神疾患の国際的な診断基準DSM-5-TRによれば、DCDの発生頻度は子どもの約5～8%とADHDの約7.2%と同じぐらい、ASDの約1～2%よりもはるかに高く、決して珍しくない発達障害です。
ほかの発達障害との併存率も高く、ASDの約80%、ADHDの約30～50%、SLD（限局性学習障害）の約50%に併存が見られます。
人間が何か動作を行う際は、視覚や聴覚からの情報、モノと自分の位置関係など、さまざまな情報を無意識に統合しながら、身体のいくつかの部分をうまく「つなげて」イメージ通りにいくつもの筋肉を動かし、目的を達成します。これを「協調運動」と言いますが、DCDは協調運動の発達がスムーズにいかないことで生じるといわれています。
これらは、１．手や指を使う運動、２．身体全体を使う運動、３．目の動きと手の動きを合わせる運動でよく見られます。
DCDのお子さんは赤ちゃんの頃から気になる様子が見られますが、年齢があがるにつれて細かい協調運動が求められるようになるため、小学校に上がった頃からぎこちなさが目立ち、いろいろな問題が出て来ます。板書がうまくできない、答えは合っているのに「字が汚い」と減点される、着替えが遅いなど。そうした様子がからかいやいじめの対象になったりすることも大きな問題です。
DSM-5-TRでは、50-70%の子どもで協調の問題は青年期以降持続すると言われています。家事や自動車運転、その他細かい作業などで協調の課題が生じ困難な状況が続くと、二次障害としてうつや不安障害など精神障害、肥満から糖尿病、高血圧などの生活習慣病などの二次障害が生じやすくなります。
DCDの人たちが公平に生きていくためには、学校や社会の意識改革が必要です。脳の特性によってどんなに頑張ってもみんなと同じように動くのが難しい人がいること、他者と比べると深刻な二次障害が起こりうることを知る必要があります。
「苦手なことも、練習を重ね、繰り返しやれば克服できる」と精神的根性論を説くのではなく、その人たちにあった支援・関わり方が必要になります。
●マイゴールを決める＝ご本人がどうなりたいのか
●スモールステップ＝成功体験の積み重ね
●くりかえし反復＝気持ちよく、楽しく行う
●道具の活用＝環境を調整、ユニバーサルデザインを活用
＜まとめ＞
できないことをできるようになることは大切ですが、特性上どうしてもできないこと、難しいことをつつくのではなく、いろいろなことを分解しながら環境を工夫して、ご本人がなりたい・やりたいことに一緒に向かっていけるようにありたいと思います。
「デジタルキャリアラボ」（就労継続支援B型事業所）では、
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